ウーバーといえば、日本国内ではウーバーイーツが有名ですが、ウーバー発祥の地であるアメリカではウーバーといえばフリーライドシェアで大きな注目を集めたサービスでした。
しかし、日本国内では「お金をもらって乗客を乗せる」行為が違法行為となってしまうことから、ウーバータクシーは欧米とは異なり、配車アプリとなっているのですが、将来的には欧米同様、フリーライドシェアの可能性があるのでは?と感じる部分がいくつかあります。
ウーバータクシーがフリーライドシェアを諦めていないと思われる理由

ウーバータクシーがいずれはフリーライドシェアとして、つまりは本国であるアメリカのような使い勝手を実現したいと考えている部分は、実は様々な点で感じられます。
まずはその点をいくつかピックアップしてみるとしましょう。
メディア向けのインタビューに於いて期待を隠していない
ウーバーは注目の会社の日本法人とあって経済紙・メディア等で取り上げられる機会が珍しくりません。そこではウーバーの日本法人要職者がインタビューに答えているケースもあるのですが、直接「いずれはフリーライドシェアを」と述べているケースもあります。
特に挙げているのが法整備に関する部分。ウーバータクシーが日本国内では配車アプリになっているのも、日本の法律の問題が大きいものであることは言うまでもありません。
ウーバー側としても「早く法改正を」とのスタンスを隠していませんが、なぜ法改正をとリクエストするのかといえば、現状の配車アプリに甘んじるのではなく、いずれはフリーライドシェアをと考えているからこそでしょう。
ウーバータクシーの登録条件

ウーバータクシーの登録条件の一つに「21歳以上」とあります。実はこの条件は、現状では記載する必要性がありません。現状、ウーバータクシーに登録するためにはタクシーの運転手の許可証でもある個人タクシーの事業者登録証が必要です。しかし、個人タクシーの運転手になるためには、35歳未満の場合、タクシーのドライバーとして10年以上、事業所で働いた実績が必要になります。これらの数字からも、21歳で個人タクシーのドライバーになることは現実的に不可能なのでわざわざ明文化する必要性はありません。
それでも敢えて「21歳以上」と明記しているのはいずれ訪れるであろうフリーライドシェアに備えているのではないかとされています。もしもですが、フリーライドシェアが実現すれば個人タクシー事業者証明書がなくとも、ウーバーイーツ同様誰もが気軽に運転手として登録し、空いた時間等にフリーライドシェアを行えるようになります。
「21歳以上」という現状明文化する必要のないルール・年齢設定は、将来のためと囁かれています。
様々なタクシー業界との業務提携

ウーバータクシーは様々な会社と業務提携を行っており、ウーバータクシーアプリを導入しているタクシー業者も登場したほど。表面的に考えると、配車アプリとしての生きる道を模索していると考えることもできるのですが、深読みすれば導入時、各方面からの反発が強かったからこそまずはタクシー業界空の理解を集めようとしていると考えることもできます。
かつてウーバーが上陸しようとした時、いわば「食われる側」となりかねなかったタクシー業界は法律を盾に猛反発しました。
また、法改正をしないよう各種業界に懇願したとも伝わってきます。
いわばウーバーを「敵」だと感じていたからこそでしょう。
そこでウーバー側としても、「敵」として法改正をと考えるのではなく、味方として徐々にと考えたのではないでしょうか。
配車アプリとしたのも、タクシー業界とすれば「諦めてくれたのか」と映ることでしょう。
しかし、実際にはウーバータクシーは業界との結びつきを強め、まずは自社の強みを理解してもらい、徐々にフリーライドシェアをとの思いがあるのではないでしょうか。
だからこそ、積極的に様々な業者と提携し、いわば「味方」担ってくれるようにと考えているのではないでしょうか。
実際、2020年12月にはウーバータクシーが増加や東京でのサービスエリア拡大などが報道されるなど、積極的に動いていることが伺えます。
これらは、業務の拡大だけではなく、自社のイメージアップや強みをアピールし、いずれはフリーライドシェアをとの思いがあるのではないでしょうか。
空飛ぶタクシーを断念
こちらは本国の話ではありますが、ウーバーはそれまで空飛ぶタクシーの開発に力を入れていたものの、結局は断念したとの報道もありました。
本国の話ではあっても、日本としても決して無関係ではありません。
いわば、「これから力を入れようと思っていたこと」を一つ断念したので、代わりに何かをと考えるのも当然です。
企業として利益を追求するのは当然ですので、日本法人に於いて法律面からフリーライドシェアを実現すべく動くようになったとしても何ら不思議な話ではありません。
フリーライドシェアのためにウーバータクシーが乗り越えるべき障壁
日本国内でフリーライドシェアを実現するために、ウーバータクシーが乗り越えなければならない壁がいくつかあります。これらの問題を解決することで、日本屋内でもアメリカのようなフリーライドシェアが実現することでしょう。そこで具体的に、どのような壁があるのかも見てみましょう。
法律
まず挙げられるのが法律です。
ウーバータクシーは、現行の法律では「白タクシー」になりますので違法です。
フリーライドシェアをと考えたら、特別な許可をもらうのではなく、法律そのものを改正しなければなりません。
白タクシーでの営業が可能になったその時、ウーバータクシーは本国同様の使い勝手の良さが実現します。
しかし、日本国内では法律を改正するとなれば時間がかかります。
そもそもウーバーは、「2020年の東京オリンピックまでにはフリーライドシェアを」との考えがありましたが、残念ながら実現していない点からも、以下に法改正が難しいかが分かるのではないでしょうか。
業界の反対
そもそも法改正が進まない理由の一つにタクシー業界の反対があるからです。
もしもですが、タクシー業界が賛成だとすれば、法改正も前向きに進むことでしょう。
しかし現実的には反対しているからこそ、法改正が進まないのです。
もちろんそのためにウーバータクシー側としても融和路線を取っているのですが、この点に関してはタクシー業界側にマイナスにならないとの点を確立できれば問題の解決が見えることでしょう。
営業区域の問題
厳密には法律になるのですが、タクシーの営業は基本的に地域によって分類されています。
そのため、どこでも自由に営業できるものではないのです。
認可を受けている地域でのみ営業を可能としていますので、認可エリアをまたぐ営業は、現状できません。
この点はフリーライドシェアが導入されたとしても障壁となる可能性があります。
実際、現行法のままでは認可エリアをまたぐ場合、「ここまでしか乗せられないので」となってしまいます。
これではせっかくのフリーライドシェアの利便性も低くなってしまいますので、営業区域に関する問題の解決もまた、ウーバータクシーの導入にあたっては解決しておかなければならない問題だと考えてよいでしょう。
この点は法律とワンセットではありますが、この点だけを先に解決するという方法も考えられます。
まとめ

ウーバータクシーが日本国内で本国アメリカのようにフリーライドシェアとしての使い勝手の良さを発揮するためには障壁があります。
これらの障壁を乗り越えたとき、ウーバータクシーは今とはまた違った存在感を発揮することになるでしょう。